HENRY DARGER'S ROOM
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これは、1973年4月13日に没した稀代のアウトサイダー・アーチスト、ヘンリー・ダーガー(1892-1973)が、人生後半の40年を過ごした部屋の写真集である。 シカゴ市内ウェブスター通りにあるタウンハウス、3階奥の一室がダーガーの部屋だった。生前この部屋に彼を訪ねる人はなく、近所の教会の牧師がたまに訪ねてくるか、大家夫人が電球を替えるために入室するぐらいだったという。身寄りのないダーガーが部屋を去り、大家のネイサン・ラーナーが片付けを始めたところ、そこにとんでもないものを発見した。『非現実の王国で』という題の付いた小説15巻と、その挿絵数百枚だ。 ふつうの大家なら、ゴミにしか見えないものだが、自身アーチストだったネイサンはこの奇妙な創作物に稀有な価値を直観し、部屋の片付けを中止した。本や絵とともにダーガーの持ち物を保管し、その後、この部屋は2000年4月13日に撤去されるまで、27年にわたって保存されたのである。 ダーガーは、今では「20世紀アメリカが生んだ最も重要なアーチスト」と呼ばれることもある。アウトサイダーという冠は不要になりつつあるが、しかし、ダーガーは正真正銘のアウトサイダーだったことを忘れてはならない。美術の門外漢“アウトサイダー”であっただけでなく、社会の疎外者、そして現実“リアリティ”からの逃亡者だ。彼は、日常の現実を否定し、自ら空想した『非現実の王国』を捏造するためだけに生きていた。 部屋には大量の画材と参考資料“ソ−ス・マテリアル”が貯えられていた。ぬり絵、絵本、新聞、雑誌… 路地裏のゴミを漁って入手した品々を部屋に持ち帰り、使えそうなイメージを切り抜き、分類し、スクラップしていた。圧倒的に多いのは少女の図版だが、火事や竜巻の写真など、『非現実の王国』の出来事を視覚化するのに役立ちそうなものすべてがそろっている。そして、これらをコラージュしたりトレースして、頭の中にある『非現実』を可視化していたのだ。持てる時間すべてを費やして。 人は、日常と非日常を往来してアートを生み出す。だが、ダーガーの場合、現実と空想は分かちがたく結びついていた。無慈悲で空虚な現実より、豊かで甘美な空想世界がリアルさを増してゆき、ダーガーはこの部屋に居ながら、『非現実』を生きていた。特異なアートを生み出した特異な人生。どちらもこの部屋で起こった。
- Format:Hardcover
- Pages:112 pages
- Publication:2007
- Publisher:imperialpress
- Edition:1st, First Edition
- Language:jpn
- ISBN10:490439500X
- ISBN13:9784904395004
- kindle Asin:490439500X









